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逆輸入ボクサー 坂井祥紀インタビュー 異色の拳歴を飯田覚士さんが聞く

2023年8月13日 17時01分

 19歳でメキシコでプロデビューし36戦。29歳で日本に戻り、3度目のタイトル戦で初めて勝って日本チャンピオンに輝いた坂井祥紀。念願のベルトを手にしてこれからの目標は? その異色の拳歴を飯田さんが聞く――。《構成:渋谷淳》

坂井(左)と飯田さん、横浜光ジムにて

クロフォードの体力に驚愕
飯田 日本ウェルター級チャンピオンの坂井くんと対談ということで、まずは先日のビッグマッチ、クロフォードとスペンスの話から始めようと思うんだけど。
坂井 それを僕に聞きますか(笑い)。

飯田 聞きます(笑い)。率直にどう思った?
坂井 勝ち方が浮かばないですね。技術どうこうではなく、体のステータスを上げるのが一番じゃないですかね。

飯田 具体的には?
坂井 パワー、スピード、スタミナ、フィジカル面すべて。そこが劣っていたら、たとえ技術があっても何もできないと思うので。そこでせめて五分に持っていかないとどうにもならないと思いました。

飯田 クロフォードのフィジカルは確かにすごいよね。
坂井 体の強いスペンスを相手にあの技術をスムーズに出せる。どうしても押されたりするじゃないですか。でもカウンターもきれいに取っていたし、ディフェンスも自分のバランスを崩していなかった。ウェルター級では特に最低限のフィジカルの強さが必要だと、感じました。

飯田 当たりの強さ、頑丈さだけじゃなく、テクニックを出すための筋力のパフォーマンスみたいな部分だ。クロフォードのほうが下から上げてきたのにね。まったくそれを感じさせなかった。
坂井 はい。

飯田 メキシコやアメリカで戦ってきてフィジカルの差を感じたことはある?
坂井 感じていました。技術で多少はごまかせても厳しいです。フィジカルが劣ってるとスタミナも大幅に削られていく感じがあって。フィジカルがあればスタミナも減りにくい。ボクシングの幅にも影響してくると思います。

飯田 でも坂井くんの強みはそこじゃないの? フィジカルが強い、後半に強いというイメージだけど。
坂井 国内でそうなだけで、海外のウェルター級は一流どころじゃないですけどある程度知っているので。自分はまだまだです。だからS・ライト級も考えてます。

飯田 そうなんだ。
坂井 他のスポーツと比べても、国内ボクサーのフィジカルは弱くないですか? 軽量級は別なんですけど。たとえば僕の身長くらいの野球とかサッカーとかバスケの選手と比べると、フィジカルに割いている時間が少ないんじゃないかと思うんです。知識もそこまでないと思うし。いまでこそユーチューブとかで情報が入ってきますけど。

飯田 その話を聞いて日本のボクシング界に筋トレはNGという考え方がいまだ根強いのかなと思った。それはどう思う?
坂井 僕もそういう時期がありました。実際、筋トレを全肯定してガムシャラにやって調子を壊した時期もあったんですよ。だからちゃんと間違わないような筋トレをしないとダメなんだなと。

飯田 どういうふうに間違っちゃったのかな。
坂井 ただ回数こなすとか、ずっと腕立て伏せをするとか。体がデカくなったら「おーっ」という感覚で。でも実際に打ってみても振りが全然鋭くならない、余計に疲れるようになったり、体重も落ちなくなったり。

飯田 オレもおんなじことをやって失敗した。だからパフォーマンスから逆算した筋トレじゃないとダメだよね。
坂井 極端な話、ボクシングのトレーニングだけで筋肉がつけば一番いいんですけど、それでは追いつかないと思うので。..

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