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ホープ高見亨介が快勝 敗れた43歳の元王者、堀川謙一は引退 村田昴は無傷の6連続KOマーク

2024年3月2日 21時33分

「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」が2日、後楽園ホールで開催された。メインのL・フライ級10回戦は、IBF同級15位、日本2位のホープ高見亨介(帝拳)がベテランの元日本、東洋太平洋、WBO-AP王者の堀川謙一(三迫)に6回2分50秒TKO勝ち。デビューからの連勝を6に伸ばした。

次の目標をタイトルに置いた高見

◇L・フライ級10回戦
高見亨介(帝拳)[TKO6回2分50秒]堀川謙一(帝拳)

 21歳の高見と43歳の堀川による22歳差マッチアップ。若い高見が初回、元気よくパンチを打ち込み、堀川がブロックして耐えた。堀川は緩急を2分回終了間際、ロープに堀川を押し込んで強打のコンビネーションで畳みかけた。

 ピンチを切り抜けた堀川は3回、打ち合いに応じるが、リーチとスピードで上回る高見が左右の強打を堀川に叩き込んで優勢。右フックの連打から強烈な左ボディが決まると、会場からため息が聞こえた。

 劣勢の堀川は4回から前に出た。高見が冷静に対処し、強打から畳みかけて山場を作るが、堀川の右カウンター、左ボディが高見をとらえるシーンもある。

この右で堀川は沈んだ

 5回にペースを落とした高見は6回にペースアップ、堀川のガードをこじ開けようと強打を打ち込み、ボディにもパンチを決めていった。勢いに乗った高見は堀川をコーナーに押し込んでめった打ち、最後は右で堀川が沈んだ。

 東京・目黒日大高で全国大会2冠の高見は6勝5KO。現役最多となる62戦目だった堀川は41勝14KO20敗1分。これで4連敗となった。

 プロキャリア初の日本人対決に勝利した高見は「日本人相手に押し切って勝てたので良かったと思う」と語り、「ランキングが上位なので日本タイトルじゃなくても何かタイトルに絡みたい」と次の目標にタイトル獲得を掲げた。

 一方、敗れた堀川は控え室から母親にラインで「これからは心配をかけないように生きていきます」と報告したことを明かした。こでまで引退を決意しながら何度も覆した過去を持つが、「もう覆すことはないと思う」と引退の意思を明かした。

 高見に関しては「強かった。何もできなかった」、「攻撃力がすごく、距離を取るのもうまくて強いパンチを当てられなかった」と脱帽。「悪くない準備はできたと思う」と試合までのプロセスには納得できたようだ。

 36歳で三迫ジムに移籍して8年。プロで62試合を戦い抜いた堀川は「まさか移籍するなんて思っていなかった。こんなに長くやるとも思っていなかった。成長させてもらったと思います」と周囲に頭を下げた。

◇S・バンタム級8回戦
村田昴(帝拳)[KO7回1分45秒]アレックス・サンティシマ・ジュニア(フィリピン)

 昨年12月に予定されていた試合を左拳裂離骨折で流したWBA・S・バンタム級13位の村田がけがを治して復帰リング。無敗のフィリピンS・バンタム級王者サンティシマを迎えた。

村田は執拗に攻めてTKO勝ちをもぎ取った

 スピードのある無敗同士がフェイントを掛け合い、タイミングを取り合り、ポジションを奪い合う技術戦を展開。サウスポーの村田は多彩なリードと左を上下に打ち分けサンティシマを崩しにかかる。サンティシマはタイイングのいい右で対抗した。4回、距離が詰まってパンチの交換が増えると、村田が左ボディからのコンビネーションを決め、サンティシマも左フックを決めて応戦した。

 村田は5回も攻撃的に迫り、サンティシマも応じて近距離で打ち合いとなった。村田が上下の打ち分けでサンティシマにダメージを与えていった。KO狙いの村田は6回に攻め続ける、接近戦で左目上をカットするが、ボディ攻めを中心にパンチを出し続けた。7回、村田の左ボディブローでついにサンティシマがダウン。10カウントとなった。村田は6勝6KO。サンティシマは8勝2KO1敗。

◇ライト級8回戦
丸田陽七太(森岡)[3-0(79-73×3)]プームリットデーット・チョンラトンダムロンクン(タイ)

 元日本フェザー級王者の丸田がクラスを上げて2戦目。WBO-AP同級2位のプームは前日計量を700グラム超過で当日計量を課せられての試合出場となった。

丸田(右)は終盤に相手を突き放して勝利

 長身で機動力のある丸田は距離を取ってボクシングを組み立てた。2回、接近戦でパワフルなプームと打ち合ったが、これはわずかな時間だった。再び距離を取るとロングレンジからジャブ、左フック、左ボディでプームにダメージを与えていった。

 4回はプームが仕掛け、丸田は受けに回る。それでも5回にネジを巻き直して右ストレートをヒット。その後も距離を取ってワンツー、左ボディ主体に攻め、最終回はよく手を出して締めた。丸田は14勝10KO2敗1分。プームは15勝13KO2敗。

◇フェザー級8回戦
金子虎旦(帝拳)[KO4回1分59秒]ジュンリル・カスティノ(フィリピン)

 体格で上回る日大出身の金子がジャブを軸にアウトボクシング。フィリピンS・バンタム級1位カスティノは飛び込んで右、左フックを狙った。3階、ジャブ、左ボディで迫る金子に対し、カスティノも右を決めて対抗。両者が互いに持ち味を出して試合は白熱した。

金子はボディでダウンを奪って勝利

 4回、金子は素早い出入りで左ボディ打ちを続け、カスティノも右、左フックで金子に迫って試合を盛り上げる。しかし金子が左ボディをカウンターで決めると、カスティノが顔をしかめて悶絶。10カウントとなった。

 金子は5勝4KO。カスティノは14勝4KO5敗。昨年9月の津川龍也(ミツキ)戦に続く日本での黒星となった。

◇S・バンタム級8回戦
福井勝也(帝拳)[3-0(80-72×3)]オー・サンフン(韓国)

 日本同級10位の福井が韓国バンタム級王者オーと対戦。上体を柔らかく使いオーに対し、福井は距離をキープしながら打ち終わりに多彩なコンビネーションをまとめるボクシング。2回、打ち終わりに左フック、右ストレートを決めると、左アッパー、左フックでオーを追い込んでいった。

福井はコンビネーションが冴えた

 やりたい放題となった福井は4回、左フックからコンビネーションを打ち込んでラッシュした。福井は6回、右ストレートを決めてオーをダウン寸前に追い込むが、オーも懸命に打ち返してダウンを拒否した。

 しかしオーはこれで火がついたか、7、8回は闘志をむき出しにして前に出た。福井は無理に倒そうとはせず、ゴールテープを切った。福井は7勝5KO。オーは8勝6KO3敗1分。

◇55.0キロ8回戦
内構拳斗(横浜光)[3-0(80-72×2、78-74)]カルーン・ジャルピアンラード(タイ=ペッチバンボーン・ゴーキャットジム)

 拓大出身の内構と16年9月、WBO・S・フライ級王者だった井上尚弥の挑戦者に抜擢されて敗れたカルーンとの対戦。内構が射程の長いジャブでプレスをかけ、左ボディを打ち込んでいく立ち上がり。2回も左ボディを軸に攻める内構は何度かラッシュを仕掛けて右も決め、KOへの期待を膨らませた。

大差で勝利した内構(右)

 カルーンは打ち終わりを狙い、3回に右を決めるなど抵抗するも、劣勢をはね返すまでにはいたらない。それでもカルーンは粘り強く、内構はKOを狙って何度が山場を作ったが、決定打を打ち込むことはできない。最終回の猛攻も、カルーンが打ち返した。

 内構は4勝1KO1敗。38歳のカルーンは53勝27KO15敗。日本では5戦全敗となった。
観衆=1441人

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