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世界前哨戦の小原佳太、ファンに麻生とのスパー披露

2016年3月15日 9時36分

 前東洋太平洋S・ライト級王者でIBF同級3位の小原佳太(三迫)が14日、東京・練馬の所属ジムで同門で日本同級1位の麻生興一と4ラウンドのスパーリングを行い、好調な動きを披露。4月14日、後楽園ホールの「ダイヤモンドグローブ」に組まれた世界前哨戦、その先に控える世界初挑戦に向けて、心身の充実ぶりをうかがわせた。

小原(左)と日本王座戦を控える麻生

 このスパーリングは三迫ジムの協力のもと、ボクシング芸人のやすおかだいご氏が一般のファン向けに企画したもの。あいにくの雨模様にかかわらず、集まった10数名のファンが見守るなかで行われたスパーリングは、小原が巧打を決めるたびに「おお!」と嘆声が上がるなど、メディア向けの公開スパーリングとはまた違った雰囲気だった。スパーリングを終え、「人の目があるので、いつも以上に集中してできた」と感想を話した小原はミット打ちも披露すると、参加者全員との記念撮影に続き、個別の記念撮影にも笑顔で応じるなど、ファンとの交流を楽しんでいた。

 すでにIBF王座への指名挑戦権を持つ小原のターゲットは4月8日、ロシアの首都モスクワで行われる王者エドゥアルト・トロヤノフスキー(ロシア)と前王者セサール・クエンカ(亜)のダイレクトリマッチの勝者。IBFはこの勝者に120日以内の指名防衛戦を義務付けている。ペッダム・トーパランイーシップサーム(タイ)との前哨戦について小原は「出し惜しみせずにしっかり自分のパフォーマンスを見てもらって、少しでも世界に向けて可能性を感じてもらえるような試合にしないといけない」と意欲を示した。

 世界挑戦の舞台、期日は当然、挑戦する相手が決まり次第になるが、モスクワの一戦を視察予定の三迫貴志会長によると並行してGW明けから2週間、ロサンゼルスでスパーリング中心の合宿を敢行する計画で「自分のボクシングをトータルで引き上げてきたい」と小原は2度目となる米国武者修行を見据えていた。

 パートナーを務めた麻生は4月19日、後楽園ホールで岡田博喜(角海老宝石)の日本S・ライト級王座に挑戦する。麻生にとっても「慣れないので緊張した」と振り返る“公開スパー”は有意義な経験だったに違いない。1年9カ月ぶりの再戦となる岡田には前回、壮絶な打撃戦の末に小差判定で敗れ、タイトル奪取を阻まれているが、麻生はジムを離れた洪東植トレーナーとの長年にわたるコンビを解消。現在は加藤健太トレーナーに師事しており、「日々勉強です」とフレッシュな気持ちで練習に取り組んでいる。

 なお小原が出場する「ダイヤモンドグローブ」のメインはWタイトルマッチ。東洋太平洋フェザー級王者の竹中良(三迫)は同級14位の正野晃(アポロ)と、日本ミニマム級王者の拳四朗(BMB)は同級1位の角谷淳志(金沢)と、それぞれ初防衛戦に臨む。

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