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殊勲の伊藤雅雪が舞台裏告白 涙で不安を乗り越える

2018年8月3日 15時07分

 7月28日(日本時間29日)米フロリダ州キシミーでWBO世界S・フェザー級王座に就いた新チャンピオンの伊藤雅雪(伴流)が3日、成田空港着の便で帰国。空港で記者意見を開き、喜びを語った。

「まだ実感がない。ふわふわしている」と伊藤

 伊藤は試合後、家族や親せきとともにバカンスを過ごしての帰国。試合の翌々日から15人乗りのバスを借りて観光を楽しんだそうだが、運転手を伊藤が務めるなど主役が“観光ガイド状態”だったそうで、「正直疲れました」と言いながら笑顔を見せた。

 ランク1位のクリストファー・ディアス(プエルトリコ)との王座決定戦は、アグレッシブに攻め続け、4ラウンドのダウンも奪って大差判定勝ち。文句なしの快挙だった。

 会見に同席した伴流ジムの団太郎会長は「私は足を使って距離を取ったほうがいいと言っていて、できなかったときのために接近戦の練習をしていた。それがリングが狭かったこともあって開き直ったのか、前に出たことがうまくはまった」と試合を振り返った。

団会長と伊藤。8月はあいさつ回りが忙しそうだ

 伊藤によると、試合当日の昼間、ホテルの部屋で一人になると涙が止まらなくなったという。「1ラウンドで倒されるんじゃないか、力を出せないんじゃないか、と考えていたら涙が出てきた。でも泣いたことで吹っ切れた。もうあとは楽しむしかないと思った」と伊藤。入場するときには「もっとブーイングしてくれ」と思えるほど最高のメンタル状態だったという。

 今後については「守るという気持ちはない。名前のある選手、勝ったら価値のある、リターンのある選手と試合をしていきたい」とさらなる高みを目指す意気込みだ。

 初防衛戦に関しては現時点で何も決まっていないとのこと。帰国会見はフジテレビが設定しており、同局はこれから伴流ジムと契約交渉をしていく予定だ。

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