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第68回全日本新人王決定戦 MVPは3連続KO勝ちの関根幸太朗、技能賞に坂間叶夢、敢闘賞は李鎮宇

2022年2月6日 18時07分

 チャンピオンへの登竜門、第68回全日本新人王決定戦が6日、後楽園ホールで行われた。トーナメントを勝ち抜いた12階級の選手が争う予定だったが、けがなどの棄権によって4試合が中止に。8試合が行われた結果、最優秀選手賞にはS・ライト級の関根幸太朗(ワタナベ)、技能賞にL・フライ級の坂間叶夢(ワールドS)、敢闘賞にS・フェザー級の李鎮宇(角海老宝石)が選ばれた。試合の模様は日テレジータスで18日(金)16時15分から再放送される。

2021全日本新人王に輝いた面々

◇ミニマム級5回戦
墨田大祐(パンチアウト)[2-1(49-47、48-47、47-48)]初田翔(石田)
 アマ20勝7敗の墨田が左の差し合いで上回り、初回からコンビネーションにつなげていった。初田も2回に右を叩き込むなどアグレッシブに打って出て食い下がった。4、5回は接近戦のシーンも増えたが、墨田はボディ打ちなどで上回って勝利した。墨田は6勝3KO1敗。初田は6勝2KO2敗。

墨田(右)は技巧が冴えた

墨田の話「率直にうれしいです。ジム初の新人王? 特別な思いしかなかったです。優勝できて良かった。緊張した。自分はタイトル戦に弱いので。気持ちで負けないようにと思っていた。高校2年生のインターハイで敗れた選手が一番強かったので、その選手といつかリベンジマッチがしたい」

◇L・フライ級4回戦
坂間叶夢(ワールドS)[3-0(40-36×2、39-37)]神垣拓磨(井岡)
 上背で上回る坂間が初回からジャブ、左ボディで優位に立った。2回は攻撃のピッチをさらに上げ、ボディ打ち、右ストレートで神垣を追い込んでいく。神垣は3回、手数を増やして流れを変えようとしたが、有効打では坂間が上回る。坂間は最終回、KOを狙って攻めたが、神垣は最後まで抵抗した。現役高校生の18歳、坂間は5勝4KO。神垣は2勝1敗1分。

坂間(右)は潜在能力の高さを見せつけて技能賞を獲得

坂間の話「KOできなくてすごく悔しいです。応援してくれた高校の友だちに一言? みんなありがとう。今日、先生も来てくれていて、3年間ありがとうございました! まだまだ強くなって世界を目指していきます」

◇フライ級4回戦
森野大地(フュチュール)[中止]川村栞太(KG大和)
※川村の棄権による森野が優勝

森野の話「試合をしたかったというのが正直な感想です。この1年間厳しい1年になったけど、ジムの会長をはじめ関係者の協力があってここまでこれたので感謝しています。ジム初の新人王? うれしいですけど、しっかり勝って新人王という形にしたかった。まずはB級、A級にランクを上げて、日本チャンピオンを目標に今後はがんばっていきたい」

◇S・フライ級5回戦
篠田将人(野口)[中止]山下陸(六島)
※山下の棄権により篠田が優勝

篠田の話「試合したかったですね。相手が一番悔しいと思いますけど。自分は複雑な心境です。(新人王戦は)間隔が短い中で減量も大変だったけど、自分自身成長できたところもある。いい大会になったと思う。S・フライ級は強い人がたくさんいるので、自分も負けないようにがんばっていきたい」

◇バンタム級5回戦
梅津奨利(三谷大和)[3-0(49-46×2、48-47)]平井乃智(石田)
 6勝全KOの梅津がスタートから相手を飲み込むように攻め立てたがこれが裏目に出た。ラウンド中盤に平井の左フックがカウンターで炸裂。梅津はダウン寸前に追い込まれたが、ラウンド終盤には盛り返した。2回、梅津が再びボディ打ちを軸に積極的に攻め、平井もガードを固めてコンパクトなパンチで対抗。その後も互いに譲らない打撃戦が続き、最終5回は梅津が攻め込み、判定勝利をものにした。梅津は7勝6KO。平井は5勝1KO2敗。

梅津(右)は気迫でピンチをしのいで勝利

梅津の話「倒すことが目的だったけど、それができなくて悔しい。絶対倒してやるぞという心でリングに上がった。まずは何かしらのベルトを取りたいと思っているので応援よろしくお願いします」

◇S・バンタム級5回戦
平野岬(三松S)[3-0(48-47×3)]髙橋烈(KG大和)
 互いにガードが低くて距離が遠く、飛び込んでいくボクシング。初回終了間際、平野の右ストレートが決まった。2回以降、互いに牽制し合ってアクションの少ない展開が続いた。4回に右を決めるなど有効打でわずかに上回った平野に軍配が上がった。

平野(右)は接戦を制した

平野の話「今までにやったことのないようなスタイルでしんどかったです。いつもジムでやっている練習をしっかり出して試合に臨んだ。今日の試合を含めてまだまだ課題が見つかったので、しっかり練習して強くなりたいと思う」

◇フェザー級4回戦
渡邊海(ライオンズ)[引き分け1-0(38-37、38-38×2)]岩下千紘(駿河男児)
 東日本MVPの渡邊は長身とスピードを生かしたアウトボクシング。サウスポー岩下は2回からプレスを強め、渡邊は軽快に動いてジャブで突き放す。3回、岩下が左ストレートをクリーンヒットして会場を沸かせる。さらに右フックを決めると渡邊がロープ際にダウンとなった。

渡邊(左)と岩下は互いに譲らずドロー

 最終4回、前に出たい岩下とカウンター狙いの渡邊の攻防は、岩下が先に右フックを決めて渡邊がグラリ。勝負あったかに思われたが、終了間際に渡邊が右を決めると今度は岩下がピンチに。結果はドローだった。渡邊は6勝2KO1分。岩下は3勝2KO1分。

渡邊の話「相手が強かったです。ドローだったので、どかの機会でもう一度やりたい。今回は泥仕合ですけど、次の試合までは進化して、だれも勝てないくらい強くなりたい」

◇S・フェザー級4回戦
李鎮宇(角海老宝石)[TKO2回1分54秒]山名生竜(HKS)
 左右に動くサウスポー山名を李が追いかけた。2回、プレスをあえる李がコーナーに山名を追い込んで右でダウンを奪う。立ち上がった山名はなんとかサバイバルしようとしたが、最後は左フックで沈んだ。李は8勝4KO。山名は2勝1KO1敗。

TKO勝ちでデビューから8連勝の李は敢闘賞

李の話「半年間きつかったです。角海老は選手が多くてスパーリングに困ることなくいい練習ができたと思う。東日本決勝のときから1ヶ月半あったので少しでも成長しているところを見せたかった。(120人の応援団に)来てくれてありがとうございます。次はA級になる試合なので、そこでもしっかり勝ってランキングに入れるようにがんばります」

◇ライト級4回戦
柳堀隆吾(花形)[3-0(38-37、39-36×2)]伊集院嵐(SFマキ)
 柳堀が積極的に攻めていくが、伊集院がダッキングしてクリンチが繰り返される。それでも2回、柳本が踏み込んでワンツーを決めてダウンを奪った。柳本はその後も先手を取り、最終回の伊集院の反撃をしのいだ。柳堀は8勝1KO2敗。伊集院は3勝1KO2敗1分。

柳堀(右)はワンツー主体のボクシングが奏功した

柳堀の話「花形ジム初の全日本新人王がかかっていたのですごく緊張していた。いい試合ができて良かった。ダウンは練習通りのパンチが出た。相手は左がうまくてやりづらかったけど、(新人王出場は)2度目ということで絶対負けられないと思ってやった」

◇S・ライト級4回戦
関根幸太朗(ワタナベ)[KO2回2分26秒]山下玄輝(結花)
 アマ18勝20敗の戦績がある関根が初回からワンツー、ボディ打ちで山下に迫った。2回、右で山下をさらに追い込み、離れ際に左フックを決めると山下がばったりキャンバスに落下。カウント中に青コーナーが棄権を申し出た。関根は3勝3KO。山下は4勝2KO1敗2分。

関根は力の差を見せつけてMVP

関根の話「相手もやりづらくて自分のボクシングができず反省ばかりです。力んで一発を狙いすぎた。(今後の抱負は)すぐにでもチャンピオンになりたい」

◇ウェルター級4回戦
平安山太樹(ナカザト)[中止]横内龍也(一力)
※横内の棄権により平安山が優勝

平安山の話「不戦勝という形でどうしようもない気持ちでいっぱいですけど、ジム初の全日本新人王になれて素直にうれしいです。自分はKOが多いので、しっかりKO勝ちできるように、日本チャンピオンを目指したい」

◇ミドル級4回戦
宮本康平(真正)[中止]草村龍弥(角海老宝石)
※草村の棄権により宮本が優勝

宮本の話「試合はしたかったという思いもありますが、新人王は目標にしていたのでうれしく思います。今日後楽園のリングで感動するような試合を見せたかったですが、これからみなさんの胸が熱くなるような試合をしていきたい」

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