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東洋太平洋S・フェザー級王座決定戦はドロー ベテラン渡邉卓也は無念、森武蔵が追いつく

2023年3月29日 22時39分

 OPBF東洋太平洋S・フェザー級王座決定戦が29日、後楽園ホール「LIFE TIME BOXING FIGHT 13」のメインで行われ、元WBOアジアパシフィックS・フェザー級王者の渡邉卓也(DANGAN AOKI)と元WBOアジアパシフィック・フェザー級王者の森武蔵(志成)の一戦はドローに終わった。スコアは114-114×3。

12ラウンドの熱戦はドローに終わった

 23歳の若きサウスポー森がジワジワとプレスをかける立ち上がり。しかし34歳のベテラン、長身の渡邉が初回は右ストレートを合わせて先制した。森も左ストレートをボディに決めてペースをつかもうとするが、渡邉は接近したときにパンチをまとめるのがうまい。3回には左フックをきれいにヒットし、ジャッジにアピールした。

 4回は頭をつけての打ち合いとなり、互いに下からパンチを突き上げていった。渡邉の左アッパーが何度か決まり、森もボディアッパーで応戦。4回を終わっての公開採点は38-38×2、39-37は渡邉だった。

 中盤に入っても拮抗した展開が続いた。中間距離が分が悪いと判断した森は前に出て左を上下に打ち込み、渡邉を削ろうとするが、渡邉が右をコツコツ当てて、接近戦でもうまさを発揮して森の思うようにはさせない。7、8回は再び接近戦。一発の威力で森が上回るが、渡邉が左右のボディ、左アッパーをコツコツ当てていく。森も懸命に前に出て手を出す。8回を終わってジャッジは77-75×3で渡邉がリードした。

森(左)と渡邉の激しい攻防は最後まで続いた

 終盤は森は体力勝負に出た。前に出て渡邉を押し込み、渡邉がそれを食い止める我慢比べのような展開。接近戦のヒットでは渡邉が上回るものの、森は被弾をものともせず前に出て、渡邉に余裕があるようにも見えない。11回、森が左を決めて攻勢に出て一気に赤コーナーが盛り上がる。最終回は森がガムシャラに前へ。渡邉が踏ん張ったがドローとなった。

 森は13勝7KO1敗1分。試合後は「悔いが残らないと言えばウソになるけど、前に出てポイントを取れたのはファイターとしてよかった。中間距離で相手が上で、陣営からいけと言われた。陣営のおかげで首の皮一枚つながったと思う」と涙した。

 渡邉は39勝21KO11敗2分。これえ東洋太平洋タイトルマッチは4度の挑戦も実らず、「中盤までパンチがよくあたった。後半はダメージになるようなパンチはもらってないけど、相手のほうが勢いがあったという見方をされたと思う。結果がすべてだとすごく感じています。またチャンスがあればタイトルマッチをやりたい」と語った。

兒玉は無敗の高橋に土をつけた

◇S・ライト級8回戦
兒玉麗司(三迫)[TKO8回36秒]高橋拓磨(志成)
 パンチで上回る高橋と体格で勝る兒玉が左を差し合いながら技術戦を繰り広げた。互いにワンツーを軸に攻撃を仕掛けて譲らないが、互いに決定打は出ない。それでも高橋が徐々にジャブの精度を上げ、4回にジャブからボディ打ち、右ストレートにつなげていった。兒玉は5回、ボディ打ち、左フックで反撃。高橋も負けずに打ち返す。高橋がパンチをもらって右目上をカットした。

 6回は兒玉が優勢に立った。コンビネーションで高橋を攻め、出血の止まらない高橋を下がらせる。高橋も懸命に打ち返すが、ペースはすっかり兒玉に傾いた。兒玉は7回、左ボディを打ち込むと、高橋の動きが一気に止まった。高橋は何とか盛り返すが、出血もあって苦しい。最終回、高橋は打って出たが、兒玉がロープに高橋を押し込んで連打したところでストップとなった。兒玉は5勝2KO1敗。初黒星の高橋は7勝7KO1敗。

◇フライ級8回戦
山内寛太(DANGAN越谷)[TKO5回2分33秒]田口健太(セレス)
 スピードで上回る山内がジャブ、左右のフック、ボディ打ちと初回から多彩なパンチを打ち込んでいく。ファイターの田口は思うように前に出られず、山内がリズム良くパンチを出していった。山内が圧倒的にリードしながら、タフな田口が愚直に前に出て粘り続ける展開が続いた。4回に田口がパンチで左目上をカット。5回、山内が左ボディを打ち込み連打したところでストップとなった。山内は7勝5KO3敗1分。田口は7勝1KO11敗1分。

鈴木(右)はデビューから3連続KO勝ちにも反省の弁が出た

◇S・フェザー級8回戦
鈴木稔弘(志成)[TKO5回1分9秒]キティチャット・ウングスリボングス(タイ)
 キティチャットがガードを上げて距離を詰め、ワンツーからボディを打ち込み先手を取る立ち上がり。アマ104戦のホープ鈴木もすぐに対応して強烈な左ボディブローを見舞った。互いにフェイントをかけ、さまざまな角度からパンチを繰り出して相手を攻略にかかる。見応えのある攻防となった。

 パワーでは鈴木が上回るものの、キティチャットのディフェスは固い。3回、両者の距離が詰まるとキティチャットが左フック、ボディへの右ストレートとパンチを散らしてうまく攻める。鈴木も左ボディを突き上げるが、4回もキティチャットがカウンターを好打し、タイ人がペースをつかみかけた。後手に回りかけた鈴木は5回、圧力をグッと強めて左フックを強打するとキティチャットが右目尻をカット。激しく血が流れてストップとなった。鈴木はデビューから3連続KO勝ち。キティチャットは21勝11KO2敗。

最終回にストップを呼び込んだ左右田

◇S・ウェルター級6回戦
左右田泰臣(EBISU K’sBOX)[TKO6回44秒]大島光容(尼崎亀谷)
 元キックボクサーの左右田は3回からジャブ、右ボディを軸に攻めてペースをつかむと、4回に右ボディでダメージを与えてラッシュをかける。ここは粘った大島だが、左右田はその後も距離を試合して試合をコントロール。最終回に逆転を信じて前に出た大島を返り討ちにし、ストップ勝ちを収めた。左右田は3勝2KO1分。大島は5勝2KO4敗1分。

拓大出身の浦嶋はデビュー戦に快勝

◇65.0キロ6回戦
浦嶋将之(角海老宝石)[KO2回47秒]ブンチュアイ・ポンスーンナーン(タイ)
 浦嶋はガードを固めるブンチュアイを初回から一方的に攻め、まずはボディ攻めから右フックでダウン。2回にも右を打ち下ろして試合を終わらせた。拓大で活躍後、家業の漁師を手伝い、警視庁の警察官をへてプロ入りした浦嶋が初陣を飾った。ブンチュアイは6勝4KO3敗1分。

◇フェザー級4回戦
上原大和(EBISU K’sBOX)[TKO1回16秒]野澤大悟(DANGAN AOKI)
観衆=1021人

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